行動経済学第3弾です!
いやー行動経済学にハマってます。
かれこれ2週間で10冊ほど読みました。
ほんと、人間って面白いですね。
知れば知るほど、納得させられるのが行動経済学の世界です。
今回は、行動経済学を今までと違った切り口で紹介していきます。
今回紹介したい本はこれ!
「人は悪魔に熱狂する〜悪と欲望の行動経済学〜」です。
なんとも刺激的なタイトルですよね。笑
悪魔ってそもそも実在しませんし、「アニメのカイジの世界やん」って心の中でツッコミました。
カイジの中でよく、悪魔的とか、人間の持つダメな部分や負の部分を悪魔って例えられているんですよね。
そしたら、本の中で結構カイジの話出てきたので、作者の松本さんカイジ好きなんかい!って親近感わきました。笑
ふつうは、人の「善」について触れられるほうが多い世の中です。
しかし、「悪」もまた人間の本性であるのも事実なんですよね。
人間のもつ「悪」と行動経済学が一体どのような関係があるのか、興味があるかたは最後まで見ていってください。
今回は大きく3つに分けて話を進めていきます。
①なぜマクドナルドの『サラダマック』は売れなかったのか
②人がもつ「悪」とは
③アニメのカイジが支持される理由
それではいきましょう!
Let’s悪魔的行動経済学!!
動画が好きな方、こちらをどうぞ!

①なぜマクドナルドの『サラダマック』は売れなかったのか

2006年5月に、マクドナルドから満を持して『サラダマック』が5種類登場しました。
なぜ、満を持してなのか?
それは、お客様の声を聞くために事前にアンケートをとっていたんですよね。
マクドナルドといえば、揚げ物をふんだんに使っていて、誰がどう見ても体に悪い飲食店です。
なので、お客様の声としては、
「ヘルシーなサラダが食べたい」
「ヘルシーじゃないからマクドナルドには行きません」という声がありました。
商品開発を担当していたメンバーとしては、お客様の声を大事にし、ヘルシーを具現化しつつ、あくまでもマクドナルドらしいサラダとして、『サラダマック』を開発したんです。
ところがなんと、期待に反してまったく売れず、すぐに販売終了となってしまったのです。
「サラダが食べたい」と言ったのは、お客様だったのになぜでしょうか。
その答えは、人間のもつ本質に答えがありました。
飲食店などで書くアンケートって、本心で書く人ってあまりいないんですよね。
もちろんだますつもりはありません。
「サラダがあったほうがいい」というのは事実かもしれませんが、
正確にいうと、だますつもりのない”綺麗な嘘”だったのです。
これには、人は少しでも自分をよく見せたいという願望が働いているんですよね。
アンケートを書いたことがあれば、「たしかに!」と思う人も多いでしょう。
では、マクドナルドはどうすればよかったのか。
「そもそもお客様の本心は何なのか」を考えることが重要だったのです。
私もマクドナルドのユーザーなので、だいたい考えていることはわかります。
「不健康なのはわかっているけど、久しぶりのマクドナルドで高カロリーの脂っこくてジューシーなハンバーガーを思いっきり食らいついてやるぜ。ぐへへ」です。笑
そこには、野菜を頼もうという、健康志向は一切ありません。
体に悪いことする時は、思いきってやろう!
そんなノリです。
そもそも私毎日野菜を食べていますが、マクドナルドにまで野菜を求めようとしていないんですよね。
ただ、アンケートにサラダがあったほうがいいって、書きたくなるのもめっちゃわかります。
このように世の中は矛盾で成り立っています。
マクドナルドはこの事実に気づきました。
2008年に従来のハンバーガーの2倍以上の『クオーターパウンダー』を販売。
お客様は、そうそう!まさにこれが食べたかったのよ!と手を叩いて喜び、大ヒットしたんですよね。
続けて、通常のハンバーガーのサイズよりも大きい『グランドビッグマック』、『ギガビッグマック』もヒットしています。
人は不合理である生き物だというのが、よくわかるエピソードですよね。
②人がもつ「悪」とは

寿命について合理的に考えれば、マクドナルドのような高カロリーの食事は避けるべきです。
なぜ、それでも人はマクドナルドにいくのでしょうか。
答えは簡単です。
人間は合理的ではないからです。
健康を願っているのに、不健康な食事をする。
あと先に考えずに愚かな行動をSNSにあげてしまう。
まさか自分の行動がネットで晒されたり、店が潰れるかなんて思いもしません。
このように、合理的に考えれば選ばない選択肢を自ら選んでしまうのは、意思決定に歪みが生じているからです。
この歪みを「バイアス」といいます。
マクドナルドのように、食べてはいけないとわかっていて、「背徳感」を感じながらも一時の快楽に身を委ねてしまうのです。
このように、本当に人は複雑な生き物なんですよね。
「善」を求める一方で、体に悪い食べ物をガツガツむさぼりたいと感じる「悪」の欲求も潜んでいます。
悪の欲求は他にもたくさんあります。
「楽をしたい」
「酒に逃げたい」
「あいつが嫌い」
「あいつが妬ましい」
といった悪い感情を、幅広い意味の言葉に置き換えれば「煩悩」といいます。
人間が持つ煩悩の中でも、根本煩悩と呼ばれる
「欲望」「怒り」「愚かさ」「怠惰」「不信」「偏見」
この6つが、煩悩の代表格だと言われています。
人間の持つ「弱さ」「もろさ」などのダメな面もまた誰しもが持っている人間の本質です。
これが人の性質の50%はクズでできているという理由なんですよね。
悪いのではありません。
これが当たり前なんです。
しかも、私もあなたも例外なく持っているんですよね。
仏教の世界では、この煩悩をなくして修行することが、仏様の境地に辿り着けると考えられています。
作者の松本さんと同じ龍谷大学出身ですので、私もこの仏教を専攻していました。
龍谷大学って仏教で有名なんですよね。
ただ、私たち普通の一般人が、「煩悩」を悪だからといって否定して消し去ろうとしてもうまくいきません。
むしろ、人はそうした「悪」にこそ魅力や親しみを感じるだけでなく、時には「熱狂」さえするのです。
その代表となるアニメが「カイジ」というわけなんですよね。
③アニメのカイジが支持される理由

カイジを見たことがない人のために、簡単に説明しておきます。
主人公のカイジは、誰がどう見てもクズな人間です。笑
自堕落でどうしようもない毎日を送るカイジが、保証人としてかつのバイト仲間の借金を返済するためギャンブルの世界へ身を投じていく様が描かれています。
映画編では、地下収容所の場面が有名です。
何日間も労働したあとに、ビールを飲んだ時のあの言葉。
「キンキンに冷えてやがる!」「悪魔的だ!」
もしかしたら、カイジを見たことがないかたでも、モノマネで聞いたことがあるかもしれません。
一番の名言が、ビール飲んだ時ってちょっとオモロくないですか?笑
これもまたカイジの魅力です。
このように、カイジの世界では「煩悩」がうまく描かれているんですよね。
マクドナルドの話にも少し似ていますが、煩悩にまみれるほどより強く人の心を揺さぶることができます。
人間の50%はクズでできているとお伝えしました。
だから、ダメ主人公のカイジに共感できる部分が多くあるんですよね。
カイジは「ダメ人間」に対する親近感を抱かせるような設定と構造を備えています。
「優秀」で「完璧」な主人公の物語よりも、「不完全」で「弱い」主人公の物語のほうが人々から愛されるのは、こうした理由があるのかもしれません。
そんなカイジが、たぐいまれな才覚と閃きと勇気を持って、圧倒的強者に向かう様は、本当に心動かされるものがあります。
まとめ

人が悪魔に熱狂する理由、
それは、人間の持つ「弱さ」「もろさ」などのダメな面もまた誰しもが持っている人間の本質だからです。
だからこそ、体に悪い物が食べたくなるし、カイジが面白いし、こち亀の両さんも、銀魂の銀ちゃんも魅力的なんです。
この「悪」の側面に着目し、人間の煩悩を考えた商品はヒットする可能性が高いです。
この考え方は、本業でも副業でも幅広く使えます。
たとえば、YouTubeでどんなものがあるのか考えてみました。
ブラック企業に勤めるサラリーマンのホワイト企業への転職、
借金○○円からの脱出、
髪の毛が無くなったところからの巻き返しなどは、非常にストーリー性があって面白いでしょう。
これらは、うまく人間の「悪」の部分をついていますよね。
何が売れるのかをデータ通りで分析するよりも、人間の根本となる「欲求」や「悪」の部分に着目するとで、今よりももっと世界が広がるのは間違いありません。
今後も一皮向きましょう!
ではまた!ばーい!
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